大学院生のレポート(ビジネスイノベーター育成セミナーⅡ:個人課題#3)

 昨日に続いて、ここでは<個人課題#3>を採点した感想を述べる。期限内(12月末)に提出されたレポートは、43通だった。残りの10通は、先週の授業時(1月8日)に提出されたものと理解している。院生の中で、①もっとも印象に残った講義は、相模屋食料の鳥越淳司社長の話だった。24人が鳥越さんを選んでいた。

 

 結果として、優秀レポートは2人が鳥越さん(相模屋食料社長)を、もう一人は鎌田さん(JR東日本ステーションリテイリング元社長)を選んでレポートしていた。鳥越さんを選んだ院生(評価S)は、荒木真喜子さんと小平裕さんである。鎌田さんの講義を「②インプレッシブ」だと感じた院生(評価S)は、武笠直子さんだった。

 わたしの記憶によると、<個人課題#1>でも、武笠さんは優秀賞を獲得していたように思う。優秀レポートの3人は、感想文が内省的(Introspective)だった。自らの経験を経営者の基本姿勢に重ね合わせて、自身のビジネス体験を振り返っていた。

 優秀作品の3人には、本ブログにアップしたいので、以下のメールアドレス(huko-ogawa@nifty.com)に、各自のワードファイルを送っていただきたい。今回が、本科目の最後のレポート採点になる。

 

 『True North: リーダーたちの羅針盤 (第2版)』(生産性出版)は、2017年の翻訳刊行以来、日本でも多くの読者を獲得している。何度も版を重ねて、現在3刷りになっている。この先は、4刷りになる可能性もある。

 本国の米国では、ハーバードビジネススクールの教材として、とてもポピュラーな著書である。「オイシックス・ら・大地」の高島宏平社長(2年目の本科目の招聘講師)は、ハーバード大学のエグゼクティブコース(夏季クラス)で、この本をテキストとして読んだと言っていた。リーダーシップ論では、スタンダードな教科書になっているらしい。

 これもひとえに、著者のビル・ジョージの枠組みが優れているからだと思う。初版からだと20年近くの歳月が流れているが、内容もフレームワークもまったく古びた感じがしない。教室でこのテキストを使いながら、毎年、当代一流の事業家を101教室にお呼びしてきた。テキストと実務家の組み合わせによって、企業家が目の前で自身の体験を話しているので、学生の内容理解が促進されたと考えている。

 なお、近々、本書を学ぶための「自習ノート」(自学用の問題集)を翻訳しようと考えている。もちろん、ビル・ジョージの監修である。版権がまだとれていないが、取れ次第、翻訳をはじめようと思っている。自習用のノートを用いて、セミナーを開くのもおもしろいかもしれない。