ひまわり応援隊@柴海農園(千葉県印西市)

 4月25日に、千葉県印西市にある柴海農園を訪問した。数カ月前から申し込んでいたのだが、コロナの感染約束でなかなか約束が果たせずにいた。ようやく4年ぶりに、柴海祐也さんのいまをインタビューすることができた。そのときのインタビュー記録は、本ブログに別途にアップする。本日のネタは、緑肥にするために植えたひまわりを、生協の宅配とサラダ専門店で販売する話題である。

 

 ことの発端は、3年前に借地をして開墾していた圃場で柴海さんから聞いた「ひまわりを土にすき込む緑肥の話」から派生したアイデアだった。その畑には、キャベツやケール、大根が植わっていた。ところが、水田を畑地に転換した場所なので、土地が必ずしも肥沃ではない。土壌を改良するために、柴海さんはヒマワリの種を植えようとしていた。

 ひまわりの根っこでは菌根菌が繁殖する。水田から畑地に転作した場所では、リン酸系(P)の養分が足りなくなる。ヒマワリを植えて畑にすき込むことで、リン酸系の養分を増やすことを柴海さんは考えてのことだった。その話を聞いてわたしは、とっさに次のようなアイデアを思いついた。

 以下は、熱海在住の大久保先生に先ほど書いたメールである。

 

 大久保先生、 4日前の25日に印西の柴海農園をインタビューで訪問してきました。4年ぶりの再訪問でした(最初の訪問ブログは、2017年1月29日「柴海農園の柴海祐也さんは、印旛松虫の16代目の篤農家」)。当時、柴海さんは、4ヘクタールほどを耕して、無農薬の有機農産物をイオンが運営する「ビオセボン」の麻布十番店などに納品していました。店頭に置いてある「野菜サラダセット」は、柴海農園さんのものでした。

 その翌年に、農場主の柴海さんは、野菜の畑を倍に拡張する計画を立てます。近所で耕作放棄地になっている4.5haの水田を借りて、オーガニックの野菜畑に変えました。しかし、土地が痩せているので、土壌改良のためにひまわりの種を植えることを思いつきます。実はひまわりの種はこれからまくのですが。

 本来は、大きく育ったひまわりは、花も茎もまとめて緑肥として土にすき込むのです。よく知られた方法なのです。しかし、わたしはその話を聞いて、大量のひまわりの花がもったいないと思いました。その場で、コープデリの木村芳夫農産部長(青果と花の担当)を紹介しました。

 「生協のルートで、緑肥になるひまわりを宅配ルートで販売してみたら?」という提案です。 多分、大量のひまわりが収穫できます。ただし、茎や根の部分は土に戻して緑肥にします。切り花として利用できる花の長さは、30センチから40センチになります。

 本来は切り花用の花ではないですから、収穫するために別途に手間賃がかかります。この方式だと、売価は1本20~30円くらいでしょうか。10本で380円?(物流経費など+15~20%)になります。それでも市価の半値です。 しかも無農薬・無施肥のオーガニックのひまわりです。生協の会員は200万人とか言ってました。うちも、実はコープデリの会員でよく花を買ってます。

 6月24日ごろに、柴海農園の圃場へ、コープデリの木村くんと板橋市場の仲卸・すずき商事の鈴木司部長がひまわり畑を視察に行きます。実現すれば、これはすごい出荷量になります。7月から8月にかけて、ひまわりは収穫期を迎えます。「ロスフラワー」の別の形態です。日の目を見ない花が、どこかで利用に供されるのが楽しみです。 

 

 この話を、コープデリの木村君にした後で、「ハイファイブ・サラダ」(新宿区神楽坂など4店舗)の水野社長にもこのメールを転送しました。その意図は、学部ゼミのフィールドワーク班で、サラダとひまわりを同時に販売するイベントをやってみたらどうかというアイデアをわたしが思いついたからです。

 先週のミーティングで、学生たちからの提案が、経営サイド(水野・近藤組)の評価がいまいちだったこともあります。ハイファイブ班に、たとえば、印西の農場でお客さんと一緒に咲いているひまわりを採花して、店頭で配るなどのイベントを開催するなど。サラダとひまわりの花は、夏のイベントして最適ではないのか?

 今学生たちが企画を用意しているはずです。わたしはそれよりも、本来ならばそのまま土に戻すはずのひまわりの花(オーガニックフラワー)を、安全や健康を志向する生協の会員に配ることに意味があるように感じています。しかも、肥料も農薬もなしに、自然に実った短いサイズのひまわりです。

 このアイデア、実現できたら素敵ではないでしょうか。採花するのが、若い学生さんやサラダを食べる若い女性たちであるので、それ自身が絵になりますね。