先月、対面でのセミナー講演を実施した四国生産性本部から、機関誌『創造の架け橋』への寄稿依頼をいただいている。最近では珍しいことだが、締め切りに間に合わずにいる。昨日(2月3日)がデッドラインだった。秘書の内藤を通して、「締め切りには間に合わないこと」を編集者にお伝えしてある。
同組織からいただいたテーマは、「withコロナ/ポストコロナ時代のビジネスモデル」である。先日の講演内容そのものである。機関誌「創造の架け橋」は隔月発行で、その中の「お役立ち講座」というコーナーでの執筆依頼である。掲載は2021年3月号だが、場合によっては、2号(5月号)に分けて分割連載も可能のようだ。
原稿がうまく仕上がらない理由は、結末をどうしたらいいのか悩んでいるからだ。Withコロナの議論はできるのだが、コロナ後の産業界の予測がなんとなくすっきりと書くことができない。コロナ後が見通せていないからだ。
メディアは政権批判で騒いでいるが、先週からのコロナの感染者数は減少している。先週からの株式市場の動向もそれに呼応するように、一気に日経平均が3万円の大台に近づいている。しかし、コロナ禍の最中に好調だった企業の株価はいまいちさえない。たとえば、コロナで勝ち組と言われてきたゲーム関連(任天堂)、食品スーパー(ヤオコー、ライフ)や家具・アウトドア関連(ニトリ、ワークマン)などは年末に株価がピークアウトしている。
目先が効く投資家は、すでにコロナ後を見ている。負け組と言われてきた外食(洋ファストフード店を除く)やアパレル(ユニクロを除く)、コンビニなどの業績が谷底から持ち直してきている。ホテルや旅行業はまだ回復までは先が長そうだが、それでも一度ほどの悲壮感はない。
北風が冷たく吹いている時に、草花や樹木は芽吹き始めている。春はすぐそこまで来ているからだ。地球と人間が存在する限り、明けない夜はない。しかし、原稿の締め切りを過ぎたいまになっても、コロナ後の先の世界をシミュレーションできる枠組みがうまく見つけられないでいる。
将来の見通しに関して、考えるべき手掛かりはつぎのようになるだろう。
(1)コロナ明けで、人々は移動距離を元に戻すのか? それとも、、、
(2)働き方がリモートから対面に戻ることはないのか? 中間の形態はあるのか?
(3)無人化・合理化で、人手不足は解消するのか? ふたたび、同じことを繰り返すのか?
(4)消費者はふたたび、価格訴求に戻るのか? それとも、価値あるものしか消費しなくなるのか?
(5)そもそも、インバウンド需要や旅行需要は、数年後に回復するのか? あるいは、数年前のような元に戻ることはないのか?
その他に、解答を見つけることになる。課題の検討に、すこしばかり考える時間が必要だ。