皇居マラソン、緩やかな失速

 梅雨空が続いている。晴れ間をさがして、一昨日は学生たちと皇居一周のコースを走った。ゼミ恒例の皇居マラソンだ。一周が5KMの周回コースを、男子学生は全員が走らされる。女子は任意参加なのだが、例年は男子顔負けの走りをする女子学生もいる。昨年度の副ゼミ長の大場さんなど。

 

 忘れられないのは、夏合宿の西湖(7KMコース)で、日帰り温泉の直線コースで、先を走っていた男子全員を抜き去った小宅(おやけ)さん! しかし、残念ながら、今年の皇居マラソンは男子学生だけになった。

 皇居のマラソンコースは、都心のど真ん中で、信号なしで5KMを走れる唯一の場所だ。法政大学の市ヶ谷キャンパスから軽くジョグで1.5KMほど走ると、イギリス大使館前に到達する。横断歩道を渡る前に交番がある。ここが周回コースのスタート地点になる。

 民間のマラソンクラブなどが主催している皇居マラソンでは、ちょうど反対側の桜田門外の「時計塔」がスタート地点に設定されることが多い。英国大使館からでは、あそこがほぼ中間地点(2.0KM)にあたる。

 

 一昨日は、サブゼミの途中で体調を崩したひとりの男子学生を除いて、12人が皇居マラソンに参加してくれた。10年ほど前なら、わたしの走りについてこれる学生は、一人か二人だった。皇居一周(5KM)を、最盛期は22~23分で走り切れたからだ。わたしも若かったので、全力で学生たちと勝負に挑んでいた。

 ところが、寄る年波には勝てず。このところ、走力は1KMのラップが5分ぎりぎりまで落ちている。昨年の皇居マラソンでも、一周が26分ちょっとだった。ちなみに、4年前に東京マラソンで最後に4時間(サブフォー・ランナー)を切ったときは、ハーフまでは、5KMのラップが27分~28分台だった。

 

 昨日の結果を報告する。わたしの周回タイムは、26分11秒。13人中の4着でのゴールだった。ちょっと悔しい(笑)。

 一番早く交番前に戻ってきた二人(サッカー少年の森君たち)は、22分前後だったはずだ。わたしの少し前にゴールした鬼頭君のタイム25分台の後半。心臓破りの坂の途中で、うしろから彼の姿がみえていたが、最後まで追いつくことができなかった。

 昨年度は、わたしより早くゴールインした4年生の二人(鳥羽君と笠原君)は、ずいぶんとゆっくりと皆が待つゴール地点に戻ってきた。28分の後半のタイム。就活の疲れなのか、あるいは手抜きなのか?3年の数人と一緒に、彼らは”確信犯”だ。

 

 皇居マラソンのあとは、学生たちと近くの居酒屋で打ち上げになった。魚民のビールが美味しかった。こうして学生たちと皇居を走れるのも、あと三年を残すだけになった。そう思うと、すこしセンチメンタルになる。

 記録などは、そろそろどうでもよくなってきている。60歳を超えてからは、緩やかな失速がすでに始まっているからだ。自然な形で、ひとは老いていくものだ。このところの実感ではある。とはいえ、2021年までは、いまのままの健康を維持して学生たちと皇居を走りたいものだ。

 そうそう、今週の土曜日(6月16日)は、40回目のOB会が市ヶ谷の近くで開かれる。今年は、何人のOBが集まってくれるだろうか? 年に一回、また彼らと会えるのを楽しみにしている。