クマネズミを退治したと思ったら、お次はピロリ菌だった

 本日は、白井聖仁会病院で年一回の定期健診日。わんすけがドックに入って人体の検査とは?これいかに。正午前に無事検査は終了。問診の時点では、「取り立てて悪いところはないみたいですね」と担当の医師からの診断。どきどきで診察室に入ったのは、去年とうとう、ふたつの指標でBとCに格落ちしていからだ。

 

 空腹時の血糖値は「C判定」、尿酸値は「B判定」。15年前からは、肝臓血管腫(B判定)が経過観察のままになっている。良性腫瘍でサイズが大きくはなっていない。医師もそこはわかってくれている。

 B・C判定のオンパレードから一年が過ぎていた。飲みすぎが、BC判定の原因を構成していることは、本人にも自覚がある。しか、これが”止められない、やめられない河童えびせん”なのだ。先月は1勝30敗。大敗を喫している(アルコールを抜いた日が一勝)。

 今月が1勝2敗なのは、定期健診のおかげ。本日からは連戦連敗が続くことが決定的になっている。4月6日からハワイに向けて出発。日曜日の8日に、ホノルルでハーフマラソンを走ることになっている。前夜祭でも、後夜祭でも、しこたま飲むに決まっている。

 

 ところで、問診の途中から、医師のコメントがどことなく雲いきが怪しくなった。バリウムで撮影した胃のレントゲン写真を見ながら、「ちょっと胃壁が荒れてますね」と若い医師。「42歳の時に、ストレスから胃潰瘍をやった経験があります」と正直に話したところ、「それは、ストレスが原因ではなくて、ピロリ菌の疑いがあります」だった。

 朝方に、採血をしてあるので、その血液を追加で検査するだけのことらしい。採血の一部をピロリ菌の検査にかけてもらうことにした。お値段は、三千円なり。追加検査は、儲かりそうだ。医者の仕事は、恐怖訴求そのものだ。わたしたちは、実に弱い立場にいる。

 そもそも、このごろ、様々な検査の判定値(A,B,C,D,E)の閾値(境目の指標)が厳しくなっていると聞く。以前問診を担当してくれた医師からも、担当の看護師さんからもおなじことを聞いた。リスクを考えて、標準値を下に移しているらしい(疑いの掛かる数値を厳しく設定するようになった)。

 むかしの基準で「問題ない」(A判定)と言われたはずの尿酸値や血糖値が、いまでは「要経過観察」(B,C判定)になるらしい。商売とはいえ、受診するほうはたまったものではない。経過観察とは言われても、実際に何かするわけでもない。心理的には不安定な気持ちで一年からを過ごすだけだ。

 

 しかし、ネズミに続いて、ピロリ菌退治とは。退治する対象が、大きなネズミから、よく見えもしないピロリ菌に代わったわけだ。「退治する」という行為は、これまたおんなじだ。

 医師が強調したのは、「ピロリ菌は、ガンや胃潰瘍などを誘発させます」だった。定期検診の血液検査で、胃の中にいるかどうかがわかるらしい。そういわれれば、払ってみようかと思うしかない。ついでなのだから、三千円追加で支払うことにした。3日後には、わんこの胃袋の中にピロリ菌がいるかどうか判明する。
 ピロリ菌がいるとなると、ネズミつづいて、ピロリ菌の駆除のために薬を飲むことになる。いまバリウムを大腸から追い出すために飲んでいる下剤とはちがうだろう。きっと抗生物質を飲まされることになる。そして、10日間から二週間は、アルコールが飲めなくなる。こちらのほうがきついかも。飲み助の私には苦行だ。
 どうやら、アルコールをやめられずに、「ピロリ菌退治に失敗するおじさん」が後を絶たないらしい。いずれそのひとはガンになる可能性が高いのです。胃潰瘍や十二指腸潰瘍も誘発する怖い菌。それがピロリ菌。
 そういえば、明治のヨーグルトで、ピロリ菌の退治する種類があったな。どれだっけ。R-1?
 今朝も、この事件とは関係なく、R-1を飲んで家を出た。以下は、MeijiのHPからの引用。
 商売になるね。がんの恐怖は強烈だから。
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 「ピロリ菌とは」
 日本人の4人に1人、約3,500万人が保有していると考えられている細菌がいるのをご存知ですか?それがピロリ菌です。胃炎や胃潰瘍、胃がんなどを引き起こす原因菌であることが明らかになっています。
 ピロリ菌の正式名称はヘリコバクター・ピロリといいます。ヘリコバクターとは、「らせん状の細菌」のことで、1989年に新たに作られた属名なのです。胃の出口付近のピロルス(幽門部)から多く見つかることから、「ヘリコバクター・ピロリ」と命名されました。その大きさは2・5~5マイクロメートルほど。
 ヒトの胃の粘膜が出す粘液の主成分の糖タンパク質、ムチンを栄養源として、酸素が少なくても生きられる「微好気性菌」です。感染者の胃の粘液中には、多いときには1ml中に10の7乗から8乗ほどのピロリ菌がいて、胃炎などの原因となる悪さをします。
 「ピロリ菌」
 さて、ピロリ菌は体の端に数本の鞭毛があり、これを使って動くことができます。胃は食物を腸へと送る働きをしていますが、その中でピロリ菌は鞭毛を1秒間に100回ほど回転させて、長い時間人間の胃の粘液の中にとどまることができると考えられています。
 胃炎・胃潰瘍・胃がんの原因
 日本人の死亡率の第一位は「がん」です。その中でも胃がんは常に上位の疾患です。
胃炎や胃潰瘍、胃がんなどを引き起こす原因菌であるピロリ菌は、下水道の未整備による不衛生な状況や、母が子に食べ物を口移しで与えることなどで感染します。幼いときにこのような状況下で一度ピロリ菌に感染すると、一生の付き合いとなってしまうのです。一度入ったピロリ菌はそのまま胃に留まり、胃の粘膜を傷つけて炎症を起こします。疾患の全てがピロリ菌によって発症するわけでは無いですが、胃潰瘍の70~80%、十二指腸潰瘍の90~100%がこの炎症によって発症することが分っています。
 
【コラム(1)】ピロリ菌の歴史
 ピロリ菌は1982年、オーストラリアの病理学者、ロビン・ウォレンと、消化器病医のバリー・マーシャルらによって発見されました。消化器の医師であるマーシャル博士がピロリ菌を飲んでみたところ胃炎が発症したことで、ピロリ菌が胃炎の原因であることが分りました。世界人口の約半数がこの菌に感染していますが、中でも下水道の普及が低い東南アジアなどで感染率が高いです。日本は60歳以上の世代は感染率が高い反面、衛生環境が整った時代に生まれた若い世代の感染率は低くなっています。
【コラム(2)】ピロリ菌の起源
 ピロリ菌と人類の付き合いが、ヒトが誕生した頃からの長い付き合いである事が、2007年に分りました。調査を行った欧米のグループの報告によると、世界の51民族769人からピロリ菌を取り遺伝子分析した結果、ピロリ菌はアフリカなどの地域別6グループに分けられました。そして東アフリカ住民寄生のものが最も古かったのです。これは、東アフリカから各地へと渡っていった5万8000年前に共にピロリ菌も世界各国へと広がっていたことを表します。