今年6月、京都生花の社長に就任したばかりの近藤和博さんに、来年1月16日に開催されるjfma新春セミナーのパネラーをお願いしてあった。三和陸運の井上社長を介してのお願いだったので、本日は直に市場に出向くことにしたい。京都駅からは二駅。地下鉄十条駅から歩いて10分ほどのところに新しい市場はあった。
近藤さんが若かりし頃、1990年代の後半に、市内にあった旧市場を訪問している。約20年ぶりの再会になった。京都生花は、大田花きの磯村さんや世田谷花きの加瀬さんが、若かりし頃に修行をした場所でもある。
10数年前に訪問した時、枝物の扱いが多いのに驚いたものだった。近藤さんによると、ただし、生け込みや特殊なディスプレイに使用する枝物は、街場の花屋さんが扱い方を知らなくなり、仕入れも販売も縮小気味らしい。
京都を代表する市場でも、伝統的な商品の仕入れが萎んでいるのは残念なことだ。産地も高齢化して作れなくなってもいるのだろう。
近藤さんは、明日は、東京に出て西村会長と合流。館山に行くことになっている。千両の買い付けのためらしい。大きな生産者が館山の山奥にいて、大量に千両を作っている。もともと平家の落人部落だったところらしく、 全体の生産量が縮小する中、シェアを大幅に伸ばしているという。暮れの一発勝負だから、リスクの大きな商売ではある。しかし、そこに果敢に挑む生産者は、後継者が育っているのだろう。
さて、本題である。来年の新春セミナーは、物流がテーマになる。三和陸運の井上社長が提案している、ゲートウェイ構想を、JFMAとして来年以降の重要なテーマと考えている。その最初の議論の場が1月16日の新春セミナーになる。
近藤社長は、2年前から井上構想を聞いていて、その良き理解者とのこと。近藤社長をパネラーでお呼びすることになったのは、井上さんの推薦である。
井上社長のアイデアは、通称で、ゲートウェイ構想。簡単に説明すると、花の物流システムを全国数カ所の拠点物流基地と共通路線便でつなぐ。このロジスティックのネットワークは、業界共通のインフラとする。
効率よく短時間で運ぶ幹線を花の業界で共有することで、無駄な転送をやめて、花持ちをよくする。結果として、末端の小売で必要な花を、適切な価格で鮮度よく運べるネットワークを構築する。
京都生花の近藤さんも基本的なアイデアには、賛同してくださっている。私たちが合意したのは、そのために、一旦、日本を1つの市場としてみた時、ゲートウェイを作った時の効率改善をシミュレートしてみること。そして、参加者全員がいまの立場より良い状態になれるかどうかを精査してみること。
今度のセミナーは、そのために、会員が一度、協業のための話し合いの舞台に乗ってみること。
パネラーは、近藤さんと井上さんの他には、昭和花きの菅家さんを予定している。あとは、三好副会長推薦の生産者の方。来年の1月、ゲートウェイ構想の門が開くことになりそうだ。