トップインタビュー(JFMAニュース連載)は、今回はオークネットの藤崎社長にお願いすることになった。本日、創業の地(40年前)である青山本社まで。お話を伺うのは何年ぶりになるだろうか?法政の大学院で客員教授を9年間務めていただいたこともある。社会学部出身なので無理をしてお願いした。
経営大学院の初期の客員教授(2004年~)には、ユニクロの柳井正さん、ブックオフコーポレーションの坂本孝さん、ロック・フィールドの岩田弘三さんなど、日本の流通サービス業を担う経営者たちがいた。
おまけに、のちにAKB48を組織することになる秋元康さんには、「コンテンツビジネス論」という授業まで担当していただいた。社会学部の稲増先生のアシストのおかげだった。奇跡のような客員教授陣だった。
そんな中で、法政出身者の藤崎さんにも客員をお願いした。一部上場企業の社長ではあったが、藤崎さんは、一見して目立たない存在だった。しかし、法政大学大学院の立場からは、一番熱心に経営大学院を育ててくれた客員教授ではなかったかと思う。出身者であればこそだと、いまでもとても感謝している。
さて、本日のインタビューは、数か月先にトップを飾る記事になる。野口弥生編集長のしごとを邪魔しない範囲で、インタビューで個人的に気になった部分を記録として残しておきたい。6つの質問を事前に送付してあったが、そこから4点のみ抜き出す。最後は、質問リストにはなったものだ。
1 中古自動車の衛星オークション会社が花事業に参入した理由
中古車業界の取引手数料総額が約500億円(当時、いまはその数倍)だった。花の市場も流通手数料が500億円規模(市場手数料を10%として)。市場も伸びていたが、問題も多いとみていた。イノベーションの可能性があった。
2 オランダとの交渉、それが決裂した理由
この経緯は、記事をお楽しみに。為替変動と外国市場。実は、わたしは花事業部門の創業者とオランダで会っていた。EFA(輸入専門のセリ会社)
3 黒字転換までの道のりと成功の秘訣
黒字まで8年かかったが、撤退しなかったのは、年率二ケタで事業が伸びていたから。50億円を超えたところで、業界からも認められるようになった。
事業として成功した理由は、買参人の多くに潜在ニーズが存在していたこと。セリ時間が長い、遠くまで買い付けに行くのは困難。これは、中古車と同じだった。生産者は、安定した価格での取引にニーズがあった。それを品質で結びつけたこと。
4 将来のこと
オークネットは、2008年にMBOで株式を非公開にした。そして、今年の2017年3月に、東証一部に再上場を果たした。その理由を尋ねてみた。中古車事業も花事業も、そしてモバイル機器やブランド品も、大手の企業との取引関係ができてきた。また、事業がグローバルになると、上場企業であることはなにかと有利に働く。
中古品の海外輸出、国内での品質評価など、上場企業になって再挑戦するつもりだとのこと。藤崎さんは64歳とまだ若い!「社長はつらいよ」などとは言ってられない。