【お知らせ】日経新聞の朝刊(3月2日)に、小川のコメント「利便性 タダではない」が掲載されています。

 特集テーマは、ヤマト運輸労組が宅配サービスの受け入れを制限することについて。聞き手は、日本経済新聞の田中陽記者。インタビュー記事のリードは、「利便性 タダではない」。

 

■利便性 タダではない 法政大学経営大学院教授 小川孔輔氏

 宅配市場の取扱個数で5割近いシェアを持つヤマトホールディングスが今期2ケタ減益の見通しなのは、今のままの価格体系や仕事のやり方に限界がきている表れだ。

 サービス産業生産性協議会の顧客満足度指数調査で、ヤマト運輸は毎年同業他社を大きく引き離し、消費者の高い評価を得ている。消費者ニーズに丁寧に応えている結果だが、付加的なサービスの対価をもらいきれていない面があるのではないか。

日本の物流費は安い。売上高に占める物流費でみると米国の約9%に対し日本は約5%だ。これは国土の差だけでは説明がつかない。米国より燃料費が高いにもかかわらず、日本は貨物運送業の労働者の現金給与が全産業平均を下回る。一生懸命働いているが報われていない。

 米国や中国ではどうか。米国の大手宅配業者は再配達コストを利用者から徴収している。共働き世帯が圧倒的に多い中国では自宅ではなく、大半が職場で荷物を受け取る。日本も複数の宅配業者が荷物を混載し、積載率を上げる共同配送も有効だろう。改善の余地はある。

(後略)

 

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO13554670R00C17A3NNS000/