先週の土日の二日間(14日~15日)、北九州空港のスターフライヤー本社に院生20人を連れて行った。”秘密搭乗”とオペレーション改善を提案する「SFJ&法政大・共同ワークショップ開催」のためである。羽田発・北九州空港行の5便(始発7時台~午後15時台)に、時間差で5チームに分かれMSを実施した。
北九州到着の翌日(日曜日)午前中は、チームごとに分けれて、朝9時から午後の役員プレゼンのための準備。ランチタイム休憩の後、12時45分からはスターフライヤーの松石社長ほか、CS推進部や客室担当、運行関係の幹部約20人が、学生のグループ発表に臨席してくださった。そのあとは、双方向のディスカッションの時間になる。
ひとチームの発表時間は約15分。75分のプレゼンのあとは、<Q&A>に30分ほど時間をとった。SFJ社との意見交換はとても活発で、学生たちからも多様な提案がたくさん出た。
ここでは、その際にSFJ側で反応が良かった(とわたしが感じた)3つの提案を紹介する。
(1)羽田ー北九州(福岡)便の日帰り割引
院生の中に、切実なユーザー(院生の籠田さん!)がひとりいたこともあって、この提案は将来、本当に実現しそうだ。
北九州空港周辺の工業団地には、たとえば日産自動車や福山通運など、製造業や物流業者が拠点をもっている。株主でもあるビジネスターゲットに向けて、「東京日帰りのニーズ」はたしかにありそうだ。ビジネス顧客が多いスターフライヤーであれば、現状JALやANAと会社ごと契約している企業に対して、強烈な営業ツールにもなりそう。
(2)女性向け(シニア向け)の特別ービス
その名は、”SAKURAサービス”。桜は、ピンクのカラーを意味している。このアイデアは、期せずして二つのチームから提案されていた。
SFJの従来顧客は、80%が男性ビジネスマン。ただし、Eチームが羽田空港でカウントしてみると、搭乗客の1~2割は、女性とシニアだった。この層に向けてのスペシャルサービスを提供し、新しい顧客層を開拓するという提案。そのために、「ピンク」のカラーをシンボリックに使って、たとえば、①ヘッドレストを、桜をあしらったピンクのシートにする、②女性専用トイレ(3か所あるうちの一か所)を設けて、ドアに「桜マーク」をあしらう。
ちなみに、シニア(65歳~)と女性(F2:35歳~49歳)の身長は、平均がそれぞれ161センチと158センチ。20代男性は平均171センチ。その差10センチを埋めるため、③高さ調整用のピンクのクッションを提供する。これも、桜サービス?
(3)認知を向上させるためにSNS(インスタグラム)を活用
SFJの課題は、乗ってみてはじめてその良さが分かること。新規顧客開拓のための前提は、認知率の向上である。せっかくだから、機内で提供されているのがタリーズのコーヒー(黒が基調)だから、ハッシュタグ(#)に、#Starflyerと#Tulley’sを同時につければ、SFJの情報が拡散できる。そのほかに、他のチームからもSNSでの情報拡散のアイデアが出されていた。
このプログラム(SFJ&法政大・共同ワークショップ開催)は、2013年から一年置きに実施されてきた。今回が3回目になる。機会があれば、2019年に再度実施したいと思っている。大学院でこれだけ実務に近い授業が実施できること、スターフライヤーさんに感謝します。