100種類の100円パン。『日経MJ』(2016年4月10日号)の記事にもなった「アクアベーカリー」(ブーランジェベーグ)が丸広百貨店・南浦和に出店した。徳永奈美さん(アクア社長)から、3日連続で店内の写真が送られてきた。すごい人だかりだった。
初日は、雨だった。オープン初日、さっそく創業以来の売上高の記録を更新した。11月11日は、ヤフーが買い物の日に決めた。それもあってか、新聞折り込み4万枚、駅ビルの外壁告知の垂れ幕、事前告知のために丸広百貨店のお客様のレジ袋へのチラシ配布、地域の郵便局10か所へのポスター掲示が功を奏したのか。
「(開店初日は)丸広百貨店はとくにイベントもなく、アクアベーカリーのみのオープンでした」(徳永奈美社長)。
初日(11月11日)は、来店客数が1400人。二日目(12日)も、客足は落ちずに1400人。日曜日(13日)は、埼玉シティマラソンが開催されたが、来店客数は1300人を達成。売上は、3日間ともにアクア創業以来の日販記録を更新した。ひとりで最大80個を購入したひとがいたらしい。
徳永さんからのメールによれば、初日は開店10時から夕方19時まで、レジ前で一度も行列が途切れることがなかったようだ。わたしもその写真を見たが、とぐろを巻くように行列が続いていた。潜在需要がいかに大きいかだ。
「大行列に対してお客様の数が物凄く。現場も慣れず、パン棚がスカスカでチャンスロスでした。翌日からは現場も慣れて来て、昨日は集客が落ちましたが、混乱もなく上手くパンも出ました。森永乳業乳酸菌入りプレミアム十穀シリアルブレッド300円も、すぐ売リ切れてしまいます」(徳永さん、二日目のメール)
初日に疲労困憊になったご本人は、二日目は自宅から息子さんに指示を出していた。
結局、「100種類のパンを100円で売れる条件」を他社が作り出せないでいる。現状のパン屋さんや食品スーパーのインストアベーカリーのオペレーションでは、販売価格が高くなりすぎる。それというのも、長年の悪しき商習慣、食品ロスの管理、駅ナカや駅ビルの高い賃料が価格に転嫁されてしまっているからだ。
「気がついてみたら、カレーパンが、デパ地下でも一等地でも3等地でもナショナルチェーンでも、当たり前のように一律価格260円になっている。これでは、とても子供にお腹いっぱい買ってあげられない」(徳永さん)
アクアベーカリーが人気を博す理由である。開店の熱気が冷めた本日(月曜日)は、またしてもどんよりの空模様。アクアベーカリーの売り上げも、どんよりだろうか?それとも、快進撃は続いているのだろうか?
<参考>
アクアベーカリーのパンの製造・販売方法を同社HPより引用します。
1 なぜ、社会的な資源のむだにつながる食品ロスを出さないのか?
2 なぜ、わたしたちの体によくない保存料を使わなくて済むのか?
3 なぜ、100種類で100円のおいしいパンが焼けるのだろうか?
その答えが、下の説明にあります。
「スクラッチ製法によるパンづくり」
*アクアベーカリーのHPより
パン屋さんはパンを作ってるものだと思っていませんか?
ほとんどのパン屋さんは、お店では冷凍した生地を焼くだけです。
それに対して、粉から始めてパンを店頭に並べるまで、すべての工程を一貫して行う方法を「スクラッチベーカリー」といいます。
このスタイルは、冷凍生地を焼くだけの一般的な店と違い、手間がかかりますし、かなりのスペースが必要です。
私たちがなぜこのスクラッチベーカリー方式にこだわっているのかというと・・・
「おいしくて安全な本物のパンを提供したい!」
この想いをかなえるためには、他の選択肢は考えられませんでした。
保存剤など使う必要もないので安全ですし、焼き立てだからおいしいのはあたりまえです。
それ以上に、その日の粉の状態、温度や湿度などに職人が五感を働かせることで、その時期や場所に応じた最高品質のパンを提供することができるからです。
ひとつひとつ愛情を込めて作った【ブーランジェベーグ】【パンマルシェ】のパン。きっと普通より価格が高いんだろうな〜と思われたでしょう。
しかし、スクラッチベーカリーではありえない驚きの価格、ほぼ全品100円!(税抜)で提供させていただいています。
ぜひ本物の味をご賞味ください。特に湯気が出ているような焼きたてのパンを食べたら、今まで味わったことのない味に感動されることでしょう。
法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科 教授小川 孔輔さまお世話になっております。 虎屋、広報担当の黒川でございます。 この度はご連絡いただき、誠にありがとうございました。 ご依頼いただいた件につきまして、是非ご協力させていただきたく存じます。 つきましては、店舗数・売り上げ以外でデータがご必要な項目をお教え下さいませ。 また、誠に恐れ入りますが、念のため「ダイヤモンドチェーンストア」さまに ご掲載いただく記事を校正させていただければと存じますが、よろしいでしょうか。 お手数をおかけいたしますが、ご検討いただけますと幸いです。 何卒よろしくお願い申し上げます。 *************************************** 株式会社 虎屋 社長室 広報課 黒川 さゆり本社 〒107-0051 住所 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 赤坂Kタワー7階 電話 03-3408-4128 FAX 03-3408-6274 E-Mail sayuri.kurokawa@toraya-group.co.jp 送信元: Kosuke Ogawa< huko-ogawa@nifty.com> 宛先: kouhou@toraya-group.co.jp, 日付: 2016/11/11 10:38 件名: Fw: ダイヤモンドチェーンストアからの原稿依頼 > 小川@法政大学
再送します おがわ ----- Original Message ----- > Date: Fri, 11 Nov 2016 10:27:52 +0900 (JST) > From: Kosuke Ogawa <huko-ogawa@nifty.com> > To: kouhou@toraya-group.ac.jp > Subject: ダイヤモンドチェーンストアからの原稿依頼 > 小川@法政大学 > Cc: 内藤光香 <nmitsuka1007@gmail.com> > > > 黒川さゆり様 (CC:内藤光香) > > おはようございます。 > 先ほど、電話をさせていただいた法政大学の小川(孔輔)です。 > 経営大学院で「マーケティング論」を担当しています。 > > 1999年に、誠文堂新光社から、『当世ブランド物語』という > 単行本を出版させていただきました。当時の楠野専務と川口課長に > はたいへんお世話になりました。第一章で「虎屋:伝統と革新」を > 書かせていただきました。 > > そのことを知った「ダイヤモンド・リテイルメディア」の > 千田直哉編集長から、来月号の特集で、「虎屋さん」の事例を > 取り上げてほしいとの依頼をいただきました。 > 担当編集者からのメールを以下に添付します。 > お願いは、当時の事例で内容は充分なのですが、 > 店舗数や売り上げなどのデータを更新させて > いただけないかとう問うことです。 > > このあと、秘書の内藤(光香)から、当時の原稿をファクスさせて > いただきます。場合によっては、電話だけで済ますことが > できるかもしれません。ご協力をお願いいたします。 > > 小川(個人携帯 090-8518-0732) > > ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー > > 法政大学 小川教授 > > いつもお世話になっております。 > ダイヤモンド・チェーンストアの雪元と申します。 > 平素より小誌へのご協力、誠にありがとうございます。 > 私からははじめてご連絡させていただきます。 > > さて、この度は原稿のご寄稿をお願いしたくご連絡を差し上げました。 > 小誌12月1日号で「乗り換える~業態転換~」というテーマで特集を企画しています 。 > イオンが呉服商からスタートしたように、小売業は手を変え品を変えながら業態転換 、 > つまり、お客のニーズに対応するために、既存業態から別の業態への「乗り換え」を 進 > めてきました。 > しかし、消費が多様化しているにも関わらず、現代はそうした大胆な業態の乗り換え は > あまり見られません。 > 特集では「乗り換え」をテーマに、小売業の業態転換について取り上げたいと考えて お > ります。 > > その一方で、一つの業態を今日まで何百年も維持している小売業が存在しているのも 確 > かです。 > 一例として、和菓子販売の虎屋に注目しています。 > なぜ虎屋は一見ダウントレンドにも見える和菓子の分野から乗り換えることなく、今 日 > まで成長し続けているのか。 > 小川先生にはこのテーマで論じていただけないかお願いする次第です。 > 小誌編集長の千田より、「小川先生が詳しいのでは」との助言を受けご連絡させてい た > だきました。 > > ちなみにご執筆頂ける場合の原稿体裁は、 > 2ページ計3000字前後+図表1~2点 > > ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー > > ********************* > 小川孔輔(おがわこうすけ) > 法政大学経営大学院 > イノベーションマネジメント研究科 教授 > (マーケティング担当、秘書:内藤光香) > 郵便番号:102-8160 > 住所: 千代田区富士見2-17-1 > TEL(FAX): 03-3264-9732 > eーmail: huko-ogawa@nifty.com > HP URL: https://www.kosuke-ogawa.com/ > ********************* |