エミレーツ航空EK719便は、定刻通りにドバイ空港を離陸した。成田から10時間の夜間フライトのあと、トランジットで6時間待ちとなった。ナイロビに向けて出発は午前10時20分。外気温は39度まで上昇しているはず。確認していないのは、ターミナルから一歩も出ていないからだ。
さきほど、成田からの便がタッチダウンした夜中の3時半ごろ、ブリッジを渡るときに30度を超えていた。お昼近くのアラブ首長国連邦の外は、砂漠の中ならばうだるような暑さだろう。旅行客はターミナルビルの中にいるから、冷房が効きすぎて風邪をひきそうだ。鼻がぐすぐすしている。隣の同行客は、くしゃみが止まらないらしい。
機内ではとくにすることがないから、映画を観ている。エミレーツの機内設備はかなりレベルが高い。エコノミークラスなのに、座席のエンタメ機器の新しさと使い勝手の良さは群を抜いている。原油で儲けた国営企業はやはり投資の仕方が半端ではない。
米国系のエアラインが液晶パネルの精細度がまったく問題にならないくらい粗いのに比べると、天と地の違いだ。日本語の翻訳も気が利いている。デザインにも違和感がまったくない。CAの制服と帽子とマフラーのような白いベールも素敵だ。スタイルとお顔も美形揃い。噂に違わない、美人エアラインだ。
3時間かけて観たのは、綾瀬はるか主演の海街diary。悪くはないが、是枝裕和監督の作品で、起伏のないストーリーだった。評価の星は三つ。主演三姉妹、綾瀬、長澤、夏帆の義妹(英語タイトルは、Our Little Sister)を演じる中学生役の広瀬すずが好演している。
家出した母親役の大竹しのぶの素性もよくわからないまま。亡くなった父親の顔は最後まで画面に現れない。そのまま、いい人で優しかったで話は終わる。シナリオを書き変えたくなる映画だった。もっと起伏のある物語に!
そろそろナイロビの空港に接近している。機体の揺れが大きい。こうしてスマホのメモ帳でブログの文章を書いていると、気持ちが悪くなる。これにて打ち止めにする。
第一回の旅行記は、ナイロビの空港に着いたら、秘書の内藤に送ることにする。現地時間で午後2時過ぎになる。明日から、5年ぶりに農場の視察がはじまる。