オランダの山本清子さんから、翻訳レポートが送られてきた。今回は、フローラホランドによる「バラの国際移動レポート」である。翻訳文では、ドル表示になっているが、日本の読者のために、円表示に直してある(1ドル=100円)。
「FloraHolland が世界のバラ市場を分析する」(翻訳)
エクアドルの年間輸出高は、610億円。世界最大のバラ輸出国になった。二番目がケニアで540億円。三番目は、コロンビアの365億円。オランダは330億円、エチオピアが153億円となっている。
このことが、FloraHollandの組合向け新雑誌である「Grow」(注:「栽培」の意味)に記載された。Growが、世界のバラの流通を分析している。
エクアドルから輸出されるバラ(610億円)のうち、238億円は航空機で米国に送られている。171億円がロシア、37億円がオランダ、24億円がウクライナ、18億円分はイタリア、8億円がチリに送られる。
ケニア発のバラは、263億円が航空機でオランダに送られる。その他のケニア産のバラは、92億円が英国へ送られ、オーストラリア、ドイツ、ロシア各国へは27億円分を送られる。
コロンビアで栽培されているバラのうち、年間263億円は米国に空路輸送される。その他のバラは、31億円がロシアに、16億円が英国に送られる。それに続くのが、カナダ13億円である。オランダは、年間7億円のバラをコロンビアから受け取っている。
オランダのバラは、主として陸送されている。最大の取引先であるドイツで、年間112億円のバラをオランダから購入している。その他は、53億円がフランスへ、40億円が英国へ、20億円がイタリアへ、17億円がロシアに送られている。
エチオピアのラの輸出高は、153億円である。そのうちの135億円(ほとんど!)がオランダに送られている。
10:53 – do 03/03/2016
出典元: AgriHolland/Grow
<解説> (1ドル=100円で計算)
この記事にしたがって、世界のバラの国境を超えた移動をマトリックスにしてみた。記事にはブランク(白抜き=数字なし)もあるので、移動マトリックスには空白も多い。ただし、縦横の合計を計算してみると、面白いことがわかる。
米国(シェア25%)とロシア(シェア10%)が消費国として独特の位置にあることがわかる。オランダは、もはや生産国ではなく、欧州の中継地点になっている(輸入シェア20%)。しかし、その地位は以前ほど盤石ではないことが見て取れる。
日本は、表中のその他に属するのだろう。国際的には影響がまったくない。
<<世界のバラ輸出金額マトリックス(億円)>>
合計 米 露 蘭 伊 英 独 仏 その他
エクアドル 610 238 171 37 18 146
ケニア 540 263 92 185
コロンビア 365 263 31 16 55
オランダ 330 17 20 40 112 53 88
エチオピア 153 135 18
合計 1998 501 219 435 38 148 112 53 492