今朝がた、小学館の園田健也さんから、「CS女子力本」が日経(本紙)の書評欄に掲載されていることを知らされた。自宅では電子版しか見られないので、さっそく確認してみた。たしかに掲載されている。見出しは、「相関する従業員と顧客の満足度」となっている。
読書2(日経本紙朝刊、2014年10月5日21面)
『CSは女子力で決まる!』小川孔輔著
「相関する従業員と顧客の満足度」
フィールド調査が得意なマーケティング学者による流通・サービス企業の競争力解明の解説書だ。著者は流通業などの大規模な顧客満足度(CS)調査を毎年実施してきたが、CSが高い企業を調べていくと、明らかにそこで働く従業員の満足度(ES)が高いことがわかってきたという。こうした業界で働く人は女性が大半だ。CSの源泉が女性のESにあることを豊富な事例で紹介する。
女性にとって働きがいがあり、満足のいく職場は多様な働き方を認める人事制度が充実している。本書で取り上げたカジュアル衣料チェーン、クロスカンパニーは全従業員が正社員で9割超が女性。短時間勤務制、希望部署に何度でも挑戦できる敗者復活戦などがあり、多くの社員が活用する地に足のついた制度として定着している。これにより社員の帰属意識が高まり、接客にもいい効果が出ている。
パートを重要な戦力と位置づけているのが食品スーパーのヤオコーだ。売り場の権限の一部をパートに委ね、自主性を重んじることで創意工夫が生まれる。東日本大震災時に、被災店舗がいち早く再開できたのも、パートの当事者意識の高さと見ている。
女性の働き方を巡っては国も巻き込んだ議論が活発化している。その先端事例としてわかりやすく、参考になる。
(生産性出版・1800円)