政治的予言の2年3か月後: 2010年の民主党といまの自民党・安倍政権へ

 その昔、2010年9月27日に、「民主党は、思いのほか早めに瓦解するみたいだ」というブログ記事を書いた。菅直人首相が誕生した直後である。その後、政治的なブログは差し控えてきた(友人からのアドバイスによる)。民主党政権下では、この国の政治は変わりようがないと思ったからである。

 当時のわたしは、言いようのない鬱屈を、ブログ読者に向けていた。菅直人首相の民主党代表選勝利に対して、心底から呆れて書いた記事内容は、以下のようなものだった。

 「2010年9月17日のブログから」

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 (前略)
 中道右派が結集して、早々に保守連合を組織すべきときである。その中心に、若いリベラルな政治家が欲しい。経済政策的には、小沢一郎の主張する方向性が正しいのだ。経済が復活しなければ、すべてが絵空事である。
 何度でも言おう。緩やかなインフレと若者のための所得再分配。そして、経済を立ち直らせながらの雇用創出。疲弊した地方には、新しいダムと新幹線と高速道路が必要だ。ただし、予算を透明に再配分すればよいではないか。
 ダムや新幹線が悪いわけではない。官僚主導が悪いわけではない。その結果として、予算の配分の仕方が、お手盛りでまずかったのだ。何でもコンクリートのせいにすべきではない。人にカネを落としても、民主党のようなバラマキだと、誰にも何のメリットも感じられない。
 (後略)
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 日本にとって、2012年衆院総選挙のタイミングはぎりぎりだった。
 わたしは、野田佳彦首相を、ある意味で尊敬している。今度の選挙は、確信犯的な政治的自決行為だったとみている。選挙に勝とうとして、解散したのではない。年齢的に、この人は首相として再度復活する芽があるとみている。
 選挙の結果は、自民党の勝ちすぎを除けば、日本にとっては幸運だった。というのも、石原・橋下維新が思ったほど票を得られなかったことで、右傾化の芽を摘むことができたからである。
 多くの人々が希望を失いかけていたが、選挙後は株価や経済指標が改善の兆しを見せている。安倍政権が発している断固とした外交政策は、米中韓だけでなく、東南アジア諸国に対しても、「日本人として国を守る気概」を明確に示している。そのことで、北朝鮮やロシアが日本に気持ちを向いてきている。鳩山・菅の時代の民主党左翼政権が、いかに周辺諸国に小馬鹿にされていたことか。

 インフレを恐れない思い切った財政出動のメッセージにより、日銀や経団連は協力の姿勢を示さざるを得ない。2年3か月前にブログに書いたように、高速道路や住宅基盤などのインフラを整備するための日本型ニューディールは、地方の経済にとっては福音である。
 自民党が民主党のような仲間割れを起こさない限り、政治も外交も経済も状況は好転していくだろう。これまでの20年は、あまりにも悪すぎた。日本の底力からして、政治が無能すぎた。日本人がすべての面で自信を失いかけていた。とくに、才能ある若者がスポイルされていた。

 わたしは、本気で思っている。若くてリベラルな政治家が欲しい!
 政権与党の自民・公明党からでなくともよい。みんなの党や維新の会、いまや崩壊寸前の民主党の中からでもよいのだ。この国の形を変えるような人材が現れてくれることを切に願うばかりである。
 そのためには、経済と外交の基礎がしっかりしなくてはならない。若い政治家には、具体的な成功体験が必要である。いままでの批判政治では、政略で相手の足をうまく引っ張った政治家が勝ってきた。
 そんな政治状況から、まともな若手が育つはずもない。