客員教授訪問記(2):ブックオフコーポレーション(株) 坂本孝社長

 中古書販売の最大手「ブックオフコーポレーション(株)」の坂本孝社長を訪問した。坂本社長とお会いするのは5年ぶりであった。そんなにも時間が経ってしまっていた。気がつかなかった。


「1998年でしたよ」とご本人と秘書の岩崎直美さんに指摘された。当時、ブックオフは株式公開をめざしていたが、2000年に一度赤字に転落している。中古書以外にさまざまな中古品販売事業を立ち上げていた。新規事業担当の上田雅彦さんを紹介されたり、「アリガット」編集長の佐藤さんなどにもお会いした。なつかしい。
 ブックオフ本体は現在、業績を盛り返して公開に向けて最後の準備中である。今度は無事公開にこぎ着けられそうである。全国展開で1千店も近い。是非そうなってほしいものである。
 考えてみると、新設の専門職大学院「イノベーションマネジメント研究科」を立ち上げるのを良い機会に、人間関係をメインテナンスしてあるいているようなものだ。かつて取材で知り合った友人達に大学院の客員教授をお願いして歩きながら、一緒に旧交を暖めている。
 坂本社長とは、この後、年明け早々にでも法政大学の学部生向けにセミナーを開くつもりである。ブックオフは、一橋大学、駒沢大学、(坂本さんの出身校である)慶応大学に学生たちが経営する「学生ブックオフ」を持っている。法政も多摩校舎と市ヶ谷校舎には出店の可能性がある。学内でなくとも、その周辺に出店してもよいらしい。もし1,2年生でこのHPを見ている学生がいれば、手を挙げてもらってもよい(小川に連絡のこと:huko-ogawa@nifty.ne.jp)。自分でブックオフを経営してみたいと思ったら、坂本社長に面接となる。是非とも申し出られたい。
 参考までに、今月号の「日経ベンチャー」(FACE欄)に、坂本さんが登場している。出ている。坂本さんが今日の経営スタイル(とくに、従業員との人間関係づくり)に至ったのには、京セラの創業者、稲盛さんの影響が大きいらしい。そのことが書かれている。松下幸之助にしろ、稲盛和夫にしろ、ある水準を超えた創業経営者には、どこか宗教(家)のにおいがする。どうしてなのか? ちなみに、今月号の日経ベンチャーの特集記事は、「決断」であった。
 これと関連して。坂本社長にお会いした後、昨夜は新宿で先輩の平賀英二さんと会食した。平賀さんは、トヨタ自動車の調査部長である。その折り、平賀さんが人事部時代に上司であった日本経団連会長(元トヨタ自動車社長)の奥田硯(ひろし)氏の近著「人間を幸せにする経済」(PHP新書)をいただいた。奥田さんは、宗教家には見えない。どうしてなのだろう? (PC前から途中退席)。