「韓日経営セミナー」は無事に終わった。韓国の新聞記者などが来ていたが、報道記事などがどうなったかは知らされていない。
昨日は、日本側の講演者たちと、韓国の民族村に行き、夜は遅くまで韓国料理を楽しんだ。同志社大学林夫妻と大学院生諸君、学習院大学上田教授、一橋大学古川教授と上原くん。三日間キムチ漬けだったので、スーツがキムチくさくなっているかもしれない。本日午後に、上田くんとロッテ百貨店に行くことになっている。福岡八女講演(600人参加)に向けて、新しいスーツを買わなくてはいけないか。
今回の10日間ツアーは、わたしとしては珍しく、ずいぶんと観光を楽しんだことになる。一人での取材旅行ではなく、引率付きの団体旅行だったからである。ソウルでも、学会・仕事仲間と動くことが多かった。実は、法政大学院博士課程、小川ゼミの同窓会でもあった。
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先月の30日から本日まで、バンコク、チェンマイ、バンコク、ソウルと、アジアの都市を転々としてきた。今回は中国には立ち寄らなかったが、代表的なアジアの諸都市は、東京が戦後歩んできた道をそのままに歩んでいる。いや、60年をかけて日本が歩んできた同じ道を、彼の国はずいぶんと危なっかしく「走って」いる感じがする。
韓国もタイも近年、97年のアジア通貨危機後をはさんで高度成長を達成してきた。その結果、いまは通貨高(ウオン、バーツ)に悩み始めている。両国とも、日本がいまだにそうであるように、「輸出主導型」の経済体質から脱却できないでいる。国内需要が小さい韓国。中国、日本への依存度が高いタイ経済。アジア経済が相互に関連して動いているといえば響きは素晴らしいのだが、その内実は自国経済を自立的に管理できない状態に置かれているのが実態である。
一方で、文化的な交流はそこかしこに見られる。韓国の地下鉄の広告は、ハングル文字がなければ、まるで日本の地下鉄である。つり革広告、窓広告などのレイアウトは、日本と逐一に一緒である。TV番組や女子アナの立ち位置なども、まるで日本のニューズ番組を見ているかのように錯覚する。
相互交流は静かに浸透している。あとは、韓日の経済制度がどの程度開放的に進むことになるかにかかっている。日韓や日タイのFTA交渉がすすめば、民族感情(反日)をのり超えられてしまうことになるだろう。日本に対する妙なコンプレックスを脱して、韓国はその段階に来ているように思う。