以下の文章は、「JFMAニュース 2007年8月25日号」からの転載になる。
今年の3月に、京都の寺町で偶然に見つけた「フラワーショップ プーゼ」のことである。経営しているご夫婦が、複合店であった。、
今年3月11日、2度目の京都シティマラソン(ハーフ)を好タイムで完走した。ご機嫌よろしく、ホテルへの帰り道、寺町をふらふら歩いていると、素敵な花屋さんに出会った。フローリストショップ・プーゼ寺町二条店(Fleuriste Magasin Pousse)
「すてき!」と感じて、迷わずお店に足を踏み入れた理由は、後々で分析してみるとふたつあった。ひとつは、お店の前に飾ってあったるアレンジメントに引き寄せられたこと。もうひとつは、二階が美容院になっていて、花屋さんと美容院の組み合わせが素敵だったことである。美容室への階段はおしゃれな別荘風。二階でカットしたあと、お花を抱えて帰りたくなる雰囲気の店構えになっている。
季節感のあるお花のアレンジも素敵であった。たまたまその日が誕生日だった中村摩耶さん(同志社大学・林広茂教授夫人)に、わたしがプレゼントのために購入したのは、黄色のラナンキュラスとフリージアのミニアレンジ(1500円)。しかし、お花を引き立たせていたのは、パッケージと店名入りの細いリボンと自然な感じのバスケットであった。後に店主の浦沢美奈さん(プーゼ代表)からお話を伺って納得したのだが、年2回ギフトショーに出向いて、直接資材を仕入れているということであった。現在、全国で店舗拡大している雑貨の100円ショップ”Natural Kitchen”で売っていそうな、センスのよい容器やラッピング素材を使用しているのが特徴であるように見えた。
まったくの偶然が起こってしまった。美容院を経営している渡邉さん(浦沢さんのご主人)が、林教授の現役ゼミ生(同志社大学ビジネススクールM1)だったことである。林教授は、わたしの研究室の卒業生(法政大学大学院博士課程)である。教授の奥様(中村さん)の誕生日のお祝いが、偶然とはいえ、奥さま(浦沢さん)のアレンジが選ばれたことになる。そのことが判明したのは、夕方の誕生パーティーの席であった。
複合店舗の優れている点は何だろうか?まずは、イメージと客層が共通だということであろう。ご主人の渡邉さんの話によると、商売上はさらに、管理部門(会計部門と総務人事)が共通であること。たまたまではあるが、店舗イメージと包装資材などのデザイン部門が共通化できることである。また、繁忙期には、花店30人、美容室30人を裏方の応援にやりくりできることも上げていた。美容院との組み合わせだけでなく、カフェや雑貨店などとの複合店もあってもいいのではないかと思う。複合型花店にチャレンジする「カップル」がもっと現れてもいいのではないだろうか?