また1人、親しい尊敬する友人を失う

 今朝方、高松まで講演のために、羽田からJALで飛ぼうとしていた。場所は京急線の車両の中。誰かわからない人から、訃報のメールを受け取った。実は、送り主は茨城の有機農家、久松さんからだった(*未登録の携帯から)。「高知の有機農家、山下一穂さんが昨日なくなったようです」と。

 

 すぐに、神奈川県愛川町の山下一穂ファミリー、千葉君にショートメッセージを入れた。確認すると、旅先で山下さんが急逝したとのこと。病名は、虚血性心疾患。告別式は、高知で29日。
 いずれにしても、全国の有機農業関係者には、ショッキングなことだ。徳江さん(FTPS代表)や福島さん(福島屋会長)は、呆然としておられるだろう。もちろん、千葉君や西辻君など、NOAFや次世代の農と食を創る若者たちも。そして、わたしも。

 偶然のことで、訃報を受け取る直前に、糖質カットの本を読んでいた。夏井睦著(2013)『炭水化物が人類を滅ぼす』光文社新書。去年から会うたびに、山下さんは、「グルテンフリーと糖質カットの実践で体調が回復した」と自慢げに話していたからだ。
 「糖質制限から見た生命学」と副題がついた2013年発売の本。10刷りとベストセラーになっていたこの本から、山下さんの健康のことを連想していた。もしかすると、その副作用か? 一瞬、そのことが頭をよぎった。あるいは、体調不良の真の原因は別のところにあったのでは、と。

 いずれにしても、山下さんの逝去は、同時代のリーダーを失ってとても寂しい。それと、今月に入ってから、友人を順番に失っている。二ツ井町の医師、藤岡君。中学の同級生の佐藤礼子さん。どちらも、死因は癌だった。
 まだ全員が60歳代の半ばである。先があるはずの人たちだ。周りの人たちも、彼らをまだ必要としている。もう2度と会えない、話すこともない。胸が重たく、苦しくなる。残念無念である。

 この携帯のメモには、先週から、年齢の「祝い日」が書いてある。還暦をすぎたら、、、到来する順に、、、カミさんとメモを作っていたからだ。親戚の誰が喜寿で、うちの母親は卒寿?などなど。
 60 還暦、70 古希、77 喜寿、80 傘寿、88 米寿、90 卒寿、99 白寿、100 百寿。この先は、なんと呼ぶのだろうか?100歳を超えたらだが。ひと昔ならば、百寿を超えて生きる人は数えるほど。だが、山下さんや藤岡君や、佐藤さんのように早逝する人がいる。その反対で、100歳の大往生も多数見かける。
 命に関して、神様は、必ずしも平等ではなさそうだ。いつ、わたしにもお迎えが来るのか。この頃、結構、夢見がよろしくないのは、このせいなのだろうか?

追伸:
 先ほど、静岡の石井育種場の石井智子さん(法政大学大学院生)からメールが届きました。石井さんには、わたしが山下さんの学校(有機農業)を紹介しました。
 「今日の朝、(山下さんがなくなったことに)気がつきました。来月の21日頃、高知の畑に伺わせて下さいと約束してありました。残念で仕方がありません。山下さんのおかげで多くの事に気づく事ができ、もっと色々教えてもらおうと思っていた矢先でした。行くと決めたら早く行かないと会えなくなりますね。

 小川先生、追伸です。
 山下さんが11月4日の有機栽培講演会のときに、「僕に影響を与えた人」の一人に小川先生の名前を上げていましたよ!」