『日経ビジネス』や『週刊ダイヤモンド』のような経済誌に登場する経営者たちの顔を見て憂鬱になる。なぜなら、かくも多くの年寄りたちが、有力誌紙の特集記事やコラムを飾っているのを見るからだ。この国のビジネスは、この人たちが牛耳っているのか。そう思うと暗い気持ちになる。
もっと若手の経営者の意見や彼らの業績をフィーチャーしてもよいのではないかと思う。たとえ、多少は未熟なところがあったとしてもだ。経済誌の写真とコンテンツは、老人だらけだ。大手企業の老経営者と、功なり名を遂げたが、なかなか引退したがらない創業経営者たち。
『日経ビジネス』などで頻繁に意見を求められている有名経営者の平均年齢は、65~75才なのではなかろうか。欧米の雑誌なら、おそらく40代からせいぜい60才まで。この国が、本当に年老いていることがそこから透けて見える。
研究室で隣に座っているアシスタントの青木恭子も言っている。「昼間、スーパーに行くと、老人しかいない。這うようにして歩いている」。千代田区と新宿区の都心型スーパーでの観察結果のことだ。わたしもときどきその光景に遭遇して、愕然とすることがある。
たしかに、金をもった老人しか、こんな地価の高い住宅地には住めないよね、、、事情は、経済誌もおなじことなのだ。だから、セブン₋イレブンの反乱事件が起きたのだ。
このブログで、昨今とくにメディアの中に「老(顔)」を強烈に感じることを書いているのは、『日経ビジネス』が「不老」を特集していたからだ。サブタイトルは、「若さはここまで買える」。「銀河鉄道999」の作者である松本零士が、特集記事の最後に出て来て、「1000女王」(アンドロイドだから、彼女は年を取らない)のメーテルについて述べている。
いわく、「人類は未来を見たいから長生きしたい」(PART5)。本当にそうなのだろうか。
サプリや運動や金(整形)で若さが買える。たしかにそうだが、特集の中身(なんでもあり)とそれ以外の記事に登場する有名人(写真)との落差に愕然とするばかりだ。今年64歳の自分をさておいて、「もっと誌面を若返らせて!」と絶叫したくなった。
単純に、若い経営者と若い女性をもっとたくさん誌面に出してほしいのだ。このままでは、この国のビジネスは、単純に劣化していくだろう。とにかく経済誌を読んでいて(写真を見ていて)、このごろこのことが気にかかって、憂鬱になる。自分も年寄りだからだろうか。自虐的なコラムになってしまった。