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【補足説明】 「自らの収入が大幅に増えるはずがない!」と半信半疑のオーナーの皆さんへ
 ポイント還元制度が導入された後、収入が400万円増加するという予測を、再検討してみました。わたし自身がシミュレーションの結果に驚きましたので。ただし、考えてみれば当たり前の結果なのです。廃棄されていた商品が売れるようになり、負担していた廃棄費用が、半分から3分の一に激減するわけですから。
 
  
 <背景:コンビニを取り巻く特殊な事情>
 ふつうならば、このようなドラスチックな経営意思決定は、長い時間をかけて準備をしてうえで実行に移されるものです。しかし、いまのコンビニエンスストアの本部は、内部で慎重に議論を重ねて、時間をかけて判断を下す時間と余裕がなくなっています。
 コンビニ上位4社、とりわけセブン-イレブンは、このところ経済産業省やメディアからきびしく経営姿勢を指弾されています。長期的な対応だけでなく、短期的にも何らかの対応を取らざるをえない状況にあります。まとめると、つぎのような状況にあります。
 5%ポイント還元が自社の経営に与える影響をシミュレーションする時間的な余裕がないのは、
1. 加盟店オーナーに同情する世間のムードがあること、
2. フードロスが社会的な争点になったので、コンビニ本部は何らかの具体的な方法を公表せざるを得なくなったこと、
3. チャージ率(本部の取り分)の改定などは、世間の目が届かないところで決められなくなったこと。
 
 こうしたビジネル環境に置かれているにもかかわらず、とくにセブン-イレブンは、本部が加盟店と膝を付き合わせて交渉ができる場が設定できないでいるようです。他の3社に関しては、世の中は「コンビニ=セブン」と考えていますから、ローソンもファミマも同類だと思われています。いくらセブンとはちがいます。独自の対応をしていますと主張しても、コンビニ一般で経営をくくられてしまいます。
 
 <参考:予測の根拠>
 昨夜、関東の某食品スーパーで青果バイヤーをしていた元学生と、Lineで深夜の会話をしてました。その内容を開示します。私の推論に対して、彼は自らの経験に照らして、「わたしの予測が間違っている(楽観すぎる)のでは?」という疑問を呈してきました。
*Kバイヤーから
 (ブログの情報を)ありがとうございます。小売の数字を30年見てきた立場からでは、値引きによる売上増はどうなのでしょうか?客数✖️客単価の客数が上がる、すなわち値引き品を買う人が増えるのは可能性はあろますが、客単価は増えないと思います。
 
*小川からの返信
 いやいや、そうではありません。今まで捨てていたもの(賞味期限切れの弁当類)を売り切るのです。状況設定が違うと思います。これまでコンビニやスーパーがやってこなかったポイント付与による値引きです。何が起きるかというと、、、
 それと、従来は業態間競争は希薄だったのですが、コーヒー戦争以来、状況は変わりました。(コンビニ同士ではなく、業態間で)客の奪いが起こってます。なぜ、コンビニの客が減ったのか?同業の食い合いだけでは説明ができません。
 Kくんの経験は、同じ店舗に来る客は一定という前提ですよね。客数は増えない。しかし、私は、隣接業態からのスイッチが起こると見てます。3つの源泉が考えられます。

1.中食、ホットモットやオリジン、rf1などのデリカ
2.外食、和洋食のファストフード店、マック、吉野家、
3.スーパーやドラッグストア、説明するまでなく、値引きとポイント付与をすでにやっている業態
 これは、コンビニコーヒーで起こったことです。(コンビニは)マックやスタバから顧客を奪いました。この頃は、コンビニの中食客を奪った業態です。逆が起こるんです。そして、
4.値引きが始まると、来店頻度が上がる、購入量が増えますね。
 これは経験的にわかりますよね。
 (フードロス対策がコンビニ店主の収入を大幅に増やすという推論は、)ここまで考えた上での結論なのです。従来の小売業の常識にとらわれると、コンビニオーナー達と同じに考えることになります。「たった5%?しかも、ポイントなんて、、、」
 でも、たとえば、ローソンの場合では、来店客中のポン太会員比率を知ってますか? 答えは、50%です。
 既存店の売り上げが、ポイント還元で12%ほど上がります。そして、粗利総額が20%増えます。本部の利益も12%ほど増えます。問題は、店舗の損益分岐点がかなり下がるので、日販50万円でも商売が成り立つことかな、笑。ポイント合戦になりますよ。下手をすると、再度出店競争に巻き込まれることななります。警告している理由です。
 
  
 <発注システムの変化>
 また、ブログを読んだある教員(経営学専攻)からは、つぎのような疑問が送られてきました。
*S教授
 あと思うのは、次の発注にどういう影響というか、発注数の判断が出てくるのかですよね、売り切れるなら、もっと発注するみたいなことにしない仕組みが求められるような。あまり深く考えられていませんが。
*小川からの返信
 発注量は平均で15パーセント増えます。ローソンは20パーセント。さらに発注数量が増えると、今度はロスも増えるので、抑制気味になります。均衡点が、理論的に15パーセントになるはずです。
 実際的には、ローソンならば、セミオート発注システムを使いますね。本部と加盟店にとって最適な発注量の中間を取るはずです。値引きが自由になると、セブンも「発注は店舗の主体的な意思で!」などとは言っていられなくなります。(*人間が全商品の発注を担当するのは複雑になりすぎ)。なんらかの形で、AI的なものを活用せざるを得なくなりますね。
 
 その意味でも、コンビニのビジネスモデルは変わらざるをえないですね。
 なお、「5%程度のポイント還元で、お客が動くはずがない」と考えるのは現実をみていないひとです。
| Kosuke Ogawa | 13:11 | - | - | pookmark |

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