物日対応に、戦略的な「切り花の貯蔵」を!

 JAあいち経済連の北川(真光)さんのアテンドで、「物日研究会」のお二人(鈴木さん、渡会さん)を訪問させていただいた。花き研究所@筑波の主任研究員(久松さん、中野さん)と一緒の訪問だった。今回は、わたしからのリクエストで「エコマムプロジェクト」の現場をインタビューさせていただいた。



 討論の際に明らかになったこと(現場に出て気づいたこと)がひとつあった。短茎多収の輪菊を栽培するメリットとしては、栽培のサイクルを短くすることができることである。しかし、「年3回の物日対応」(9月、12月、3月)に栽培体系を変えようとすると、わずか10日間の出荷(セリ日では5回)にタイミングあわせる必要がでてくる。
 そのため、物日研究会(輪菊部会)のお二人がはじめた取り組み(予約相対による物日とその前後の総括取引:大田花き、なにわ花市場)では、これがネックになって仕事が”窮屈”になっている。栽培体系としては実現できるのだが、もうすこし現場が楽になるためには、もうひと工夫が必要になると思う。
 わたしからの提案は(久松研究員も同意してくれたのだが)、早めに採花した花を冷蔵貯蔵しておくための施設を借りることである。加工業者が物日で実施している「切りだめ」を、産地側が品質を保持しながら、「戦略的」に取り組むことである。

 愛知の田原町周辺には、トヨタ系の部品メーカーがたくさんある。また、とまとやキャベツなどの野菜の加工場があるはずだから、物日(春彼岸、盆暮れ)に5~10日間だけ、空きスペースを借りるのである。
 実際には、海外産(ベトナムから)のスプレイキクや、沖縄産のコギクは、実際に輸送期間中に、冷蔵コンテナで保管されている。ベトナムからの切り花は、海上輸送だから物日に大量に間に合わせられるのである。この同じアイデアを、国内大産地の愛知で実施してはどうか?というアイデアである。その前提は、冷蔵保管技術をきちんと確立することと、そのために日持ち保証実験をすることである。
 あくまでも「採花日」を表示することは手段である。最終目的は、鮮度を保証して消費者に届けることである。手段と目標をまちがえてはいけない。短い時間ではあったが、有意義な訪問だった。