先ほど(7月22日午前11時、日本時間)、三好正一社長(ミヨシ種苗)からメールが入ってきた。コロンビアからエクアドルの首都キトーに移動したばかりらしい。5年前にわたしたちJFMAは南米ツアーで現地農場を訪問した。その後の様子を伝えるメールである。JFMAのメンバーと三好さんからの情報を共有しておきたい。
いま、キトー(@エクアドル)にいる三好さん電話をして、もうすこし詳細な情報を直接にも得ることができた。日本の政治情勢は、ご存知なかったので、自民党の圧勝をお伝えした。
花業界にとっては、自民党の政策が「強い農業の作り」に向いていることが、強力な追い風になるだろう。花などの農産物の輸出や種苗部門の強化は、三好種苗だけではなく、サカタのタネやタキイ種苗など、国内ブリーダーにとってはプラスに作用する。
以下の文中にもあるように、日本の種苗会社(花部門)は、草花系と呼ばれる「サマーフラワー」に強みを持っている。世界的に需要が伸びているトルコギキョウやひまわりなどは、日本の独壇場である。
コロンビアに続いて、エクアドルの生産者がどのように変貌を遂げているのか。楽しみである。
為替が円安に振れていることで、日本の生産者はいま、しばし一息つける状態にある。しかし、三好さんのレポートから読めることは、農業に予算が投入される期間(2013年~2015年:つぎの衆院選挙)までに、生産者と種苗会社は、国内の生産体系(技術開発と新品種の投入)を立て直すことに注力すべきである。
その努力を怠れば、またぞろ、もとの姿(海外産の花に押される国産品)に逆戻りになる。サマーフラワーやガーベラなど、バラやマム以外に、戦える品目をたくさん抱えている生産者と種苗メーカーはさらに強くなれる可能性を感じる。
そう楽観するのは、わたしだけだろうか?実は、小売店チェーンでの花販売は好調である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(2013年7月22日、日本時間午前11時)
小川先生
ご無沙汰しております。理事会の欠席が続いてしまい申し訳ありません。
前期は子会社の合併やミヨシの持株会社制度への移行など色々やりまして、社内で多忙を極めましたが、今期からその分外に出ようと国内外の顧客訪問を繰り返しています。
さて、小生は今コロンビアにおりまして、明日からエクアドルを回ります。JFMAのツアー以来、五年ぶりの訪問ですが状況がすっかり変わってしまった事をご報告します。
まず、10ヶ月ほど前に新空港が出来まして、その変わりようにびっくりしました。空港近辺も新しいビルやホテルが立ち並び、経済的に発展しているのが良く分かります。一人当たりのGDPも7,855ドルと、2008年訪問時の5,300ドルから大きく進化しているようです。(2013年は8,000ドルを超えるとか)
園芸業界に目を移しますと、(コロンビア経済は)リセッションから立ち直り、アメリカ経済の復調に呼応して(もちろん不確実生はあるが)、「やっと元に戻った」と弊社エージェント(ボール・コロンビア社)の社長が言っておりました。
(JFMAのツアー)訪問時はドール社はまだ健在だったと記憶してますが、2010年に崩壊したのち、中堅どころを含む他社に分散されました。訪問したエリートフラワー社も当時の220ヘクタールから400ヘクタールになり、トップ5に入っております。600ヘクタールのグルーポチア社を筆頭にファルコン社、サンシャイン社、イパネマ社と続きます。
「サマーフラワーが台頭し始めた」と先生の当時のレポート(*2008年9月29 日、ブログ参照)にありましたが、正に現在その通りで、イパネマ社などは元々バラ専門の会社であったのが顧客からの強い要望により半分ほどサマーフラワーを生産しバラとミックスしているとの事でした。
さらに特筆すべきは、トップ5の内何社かは既にケニアにも農場を構えています。エリート社も既に20ヘクタールあるようです。ヨーロッパ向けのアフリカ、アメリカ向けの中南米という構図は、最終製品である切り花の出荷面では既に境界線はありませんが、生産面でも既に無くなっているようです。
私の想像を超えてグローバル化が更に加速しています。(グルーポチア社とファルコン社が合併、もしくは前者の買収の噂もあり合従連衡が起こりそうです。)
為替の関係もあり、目は完全にアメリカに向いていました。日本の生産者を含め、我々(日本の種苗メーカー)にとっての追い風を現地で感じました。
エクアドル編は後日お送りします。
三好
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー