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友人の玉塚元一会長、青のラガーシャツを脱ぐ
 複雑な気持ちでいる。玉塚さんが、ローソン会長を辞任することになったからだ。ニュースを知ったのは、午後13時だった。ローソンの本を書いているのは、「玉塚支援プロジェクト」のつもりだった。その目論見が見事に外れてしまった。ローソンの広報部から昨夜遅くに連絡が入った。

 

 玉塚さん離任の事情説明と、今後の取材スケジュールについて相談をした。書籍の出版については、取材のやり方を変えることにした。ローソンの体制がどのようになるかを見るために、しばらく取材は中断することになった。出版社とも相談しなくてはならない。

 それはそうと、友人の日経新聞の田中記者が、早速、オンラインで玉塚さんについて記事を発表していた。ネットで書かれていることは、ほぼ田中さんのコメントの通りだろう。ユニクロ、リヴァンプ、ローソン、、、、玉塚さんの仕事が、またしても未完で終わってしまった。

 わたしが取材でまとめていたローソンの「次世代コンビニモデル」は、どこに行ってしまうのだろう。セブン-イレブンに対抗できる唯一の代替的なビジネスモデル。

 田中陽さん(日経編集委員)のコメントを引用させていただく。内容は、玉塚さんのローソンでの立場についての感想である。ローソンのコンビニビジネスの中身については書かれていない。

 

 

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「みんなのローソン」未完 玉塚氏にノーサイド 
 2017/4/12 14:51(日経オンラインから)

 

 「ローソンは『ダイエーのローソン』から『新浪(剛史・元社長)ローソン』になり、これからは『みんなのローソン』にしていく」と語ったのが今から3年前の2014年春。慶応大学時代に攻守の要のフランカーとして活躍したローソン会長の玉塚元一氏(54)が5月30日の株主総会後に退任する。

 

 大学卒業後の玉塚氏の足跡はこうだ。旭硝子、米国留学、日本IBM、ファーストリテイリング、企業再生のリヴァンプと、まるで楕円のラグビーボールのように活躍の舞台は転々とし、そしてローソンの社長に就任した。それから3年、玉塚氏はローソン顧問となり経営の一線から退く。「みんなのローソン」は完成したのだろうか。

 玉塚氏の処遇を巡っては昨年春からいろいろな噂がたっていた。昨年6月に筆頭株主の三菱商事出身の竹増貞信氏が社長に就任し、玉塚氏は会長になり、その役割分担が曖昧だったからだ。当初、玉塚氏は最高経営責任者(CEO)、竹増氏は最高執行責任者(COO)としていたほか、国内を玉塚氏そして海外を竹増氏と線引きしていたはずが次第に竹増氏が国内事業にも関わるようになっていた。そしてこの3月からはCEO、COO体制を廃止して玉塚氏がコーポレートガバナンス(企業統治)、竹増氏が全社経営に携わるようなり、玉塚氏の活躍のフィールドは狭まっていった。

 

 そもそもローソン元社長で現在、サントリーホールディングスの新浪剛史氏がローソンを去る際に、後任として強く推したのが玉塚氏だった。一方、経営権を握る三菱商事は当初、色よい返事をしていなかった。「商事からローソン社長を出す」と。商事出身の新浪氏はこれまで自身を引き立ててくれた商事首脳を説き伏せて玉塚人事を実現させた。労働集約的な小売業。しかもコンビニ経営はフランチャイズビジネスで加盟店主のやる気を引き出すのがトップの仕事でもある。ネアカでラグビーで培ったチーム力の向上には玉塚氏の手腕はうってつけだった。

 加盟店側からも「玉ちゃん」と呼ばれ人気もあった。地方のローソンの視察に行くと「玉ちゃん」の周りには店長や従業員が自然と集まってきた。高級スーパーの成城石井も買収し成長戦略の基礎も築いたほか新浪ローソン時代の拡張路線も一部、修正して社内と加盟店をまとめてきた。

 

 風向きが変わったのが2年前に明らかになったファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスの経営統合交渉。両社の大株主である伊藤忠商事が軸となり再編が一気に進み、業界2位のローソンが3位に後退することが確実になった。生活産業分野の強化を目指す三菱商事には脅威に映ったに違いない。ローソンへの経営の関与を深めるために商事出身者の社長就任とローソン子会社化を決断する。食品の原材料を担う川上からローソンの店舗まで一気通貫のサプライチェーンを築くのが狙いだ。玉塚包囲網はできてしまった。それは三菱ローソンに見えたのだろうか。

 玉塚氏は社長就任時に慶応ラグビー部主将を務めた大先輩、藤賢一氏からチョコレートでできた小さなラグビーボールを贈られた。そこに添えられたメッセージにはこう書いてあった。「これからはノックオンもペナルティーも許されませんよ」。転々とした社会人人生で「そろそろ腰を据えてしっかりやれ」という意味合いだった。残念ながら今回も短期間でノーサイドを迎えた。

しかし、会長という立場に恋々としていればそれこそノットリリースザボールとして反則となる。ラガーマンらしい身の引き方かもしれない。

(編集委員 田中陽)

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